最後は赤です。3本目だが、どんどんこの監督のよさが染みてくる。モチーフもすごく光っている。この作品が一番気合入れて赤くしてあるように感じた。男優(ジャン=ルイ・トランティニャン)の表情がよく、ストーリーも楽しめた。暗闇で話しているところが好きだった。

独立した作品としてすばらしい上に、色に重ねられた連作としての小さな鍵がいろんなところにある。小さな鍵はひとつひとつのストーリーの中にもあって、静かにわくわくする。
けれど最後の連作サービスは大きすぎ、不必要と思った。

もうひとつ、ヨーロッパの映画を観ていて、男女の距離が日本とは違うなぁと思う。日本人(私の感覚)は50cmくらいでyesかnoか迫られるが、この映画では5cmくらいだ。そんな近い距離で、相手の愛情を受け止めつつ、noと言ってる。恋人同士になれなくても、異性が異性として本当に近くまで近づいているのって、うらやましいように感じた。