昭和20年の作品、とてもおもしろかった。
武士道、作法、流儀、そういうのが新鮮。
唐津勘兵衛(長谷川一夫)のキッとした立ち振る舞いがとかくかっこよい。お茶碗の口を拭くとき、歩くときなど首の位置が決まっている。女将(田中絹代)のゆらゆらとしたしぐさもよかった。こちらは肩の位置。
昔の京都の町がのぞけるのもうれしい。街路樹ではなく、明るい木立を歩くといった感じに松や桜がぽんぽん生えている。

三十三間堂を歩くと柱に矢の跡がある。あの長いお堂の、端からもう片端にある的を射抜く、しかもそれを一日に8000本以上続けるのだから、とてつもない体力・精神力だ。