12歳の姉と5歳の弟が手を握りながらあてのない旅に出る映画。
観ているうちにこの監督の作品、前に見たことあるんじゃないかな、と思った。
雪のシーン、人がいろんな方向に歩くシーン、衣装を売るシーン、大きな手が浮かんでいるシーンなど、戯曲風の凝ったつくりがところどころに挿入されている。
これは何語かな、ギリシャ語かな、と思いながら見ていた。煙突のある工場とか、海の向こうの平たい山とか、とても好きな風景だった。
そういうのにもっと引き込まれてもよいようなものだけれど、気持ちはどんどん離れていった。冬の冷たい雨に濡れるように、芯からの冷えを感じた。それはタイトルどおりだから、すごいことなのかもしれないが、好きになれなかった。温度が合わなかった