ずっと見てみたかった。この監督の作品は、distanceも幻の光もよいと思った記憶がある。
淡々としていて、子供たちがよかった。子供ってこんなに仲良くやっていくんだ、と思った。長男の顔がよかった。カップラーメンの空容器に植えた雑草やマニキュアがこぼれた跡など、小さなところもよかった。そして頭の半分で、これ、どうなるんだろうと結末を案じていた。
「あいつんち、臭いんだよ」という台詞があるが、それがなかったら臭いというのに気づくのがずっと後だったと思う。そういう映像だった。
映画は実際の事件から発想したそうで、調べてみる。字面だけ追うと、こんなもんじゃなくひどい。事件の箱を開けてみると、案外こんなだったかもしれないよ、という「誰も知らない」箱に対する監督のひとつの提案なのだろうか。